投資家情報
投資家の皆様へ
投資家の皆様には、平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申しあげます。
さて、当社は第98期定時株主総会が終了いたしましたので、ごあいさつをかねまして、企業集団の現況に関する事項を報告させていただきます。
2024年6月
代表取締役社長 小川 和夫
事業の経過及びその成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍による活動規制からの本格的な緩和により緩やかな回復基調ながら、資源、原材料価格高の長期化ならびに物価高などの下押し圧力があり弱含みで推移しました。
このような状況の下、当社グループにおいては、原材料の高騰による価格改定は徐々に一段落してきた一方で、大幅な円安傾向により輸入品の一部が価格競争に見舞われる中で、国内外の新たな機能性商材の取引拡大に引き続き注力いたしました。
これらの結果、売上高は262億2千7百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は3億8千2百万円(前年同期比12.3%増)、経常利益は5億2百万円(前年同期比6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億4千6百万円(前年同期比14.1%増)、対前年同期比で減収ながら増益となりました。主な増益要因としましては、原材料価格の上昇に対し価格改定が遅れていた一部商品の是正が図れたこと、ならびに建装材事業セグメントにおいて、業務効率改善が進展したことが寄与しました。
なお、当社の連結子会社であったSY RUBBER (THAILAND) CO.,LTD.は、2024年3月25日付書面にて開示いたしましたとおり、当社が保有していた同社の全株式を譲渡したことにともない、当社の連結子会社から除外されることとなりました。
事業セグメント別の概況は次のとおりであります。
科学事業
土木・建材資材関連分野
土木関連分野では、道路舗装用改質剤は増加しましたが、環境負荷軽減セメント用ならびにコンクリート二次製品用の添加剤が減少し大幅減収となりました。
建材資材関連分野では、建材ボード用薬剤が伸長しましたが、発泡断熱システム用輸入難燃剤等が低迷し減収となりました。
情報・輸送機器関連分野
情報関連分野では、ディスプレイ関連材料や特殊インキ関連材料の伸長がありましたが、自動車部品関連材料ならびに電池関連材料が減少し減収となりました。
輸送機器関連分野では、自動車部品用成形材料が回復せず減収となりました。
日用品関連分野
日用品関連分野では、清掃用品材料ならびにレンズ用材料の伸長により増収となりました。
フィルム関連分野では、生鮮野菜、チルド食品及び冷凍食品用包装フィルムの販売が堅調に推移し前年並みとなりました。
化学工業関連分野
繊維関連分野では、工業繊維用薬剤の減少により減収となりました。
化学工業関連分野では、輸入基礎化学品及び機能フィルム用原料が減少し減収となりました。
これらの結果、科学事業セグメントの売上高は209億5千9百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は4億2千万円(前年同期比6.7%減)となりました。
建装材事業
住宅用関連部材の造作、建具、キッチン関連製品の堅調に推移し、またオフィス関連商材の持ち直し、新規採用された成形用樹脂が伸長したこと等により増収となりました。
これらの結果、建装材事業セグメントの売上高は52億6千7百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は1億8千1百万円(前年同期比82.0%増)となりました。
対処すべき課題
わが国経済は、大幅な円安を背景としたインバウンド需要の拡大や輸出の増加に加えて、実質賃金が上昇に転じる見込みであること等から、個人消費を中心とした緩やかな持ち直し基調となることが予想されるものの、他方で海外要因には、ウクライナや中東をはじめとする国際情勢の緊迫、資源ならびに材料価格の高止まりの長期化等、強い下押し要因があることから、総じて厳しい事業環境となることが見込まれます。
このような状況のなか、当社グループは国内外における環境の変化に迅速に対応し、機能性商材を中心とした新規開発の加速と継続的な業務改善活動の推進により事業の拡大と収益力の強化に注力してまいります。
また、海外事業では、アジアにおける営業5拠点(香港、上海、タイ、シンガポール、ベトナム)との連携による輸出入及び海外進出企業との取引拡大を推進します。
業務改善活動では、ISO9001・14001及び事業継続マネジメントシステム(BCMS)による体質強化活動を引き続き進化させるとともに、ICTの更なる活用等を通じて効率的な働き方を推進し、事業の持続性の向上を図ってまいります。
今後の更なる飛躍を目指し、グループ一丸となってこれらの課題に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。
投資家の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。